ちいさなしあわせさがし

日々のちいさなしあわせさがし♡そんな心をはぐくむために

羽ばたきのヨロコビ

 
約3カ月に渡り、関わり続けた福島在住の女性クライアント(真名さん・仮名)から、嬉しい電話がかかってきました。

そのお宅は、ご主人と真名さんとお子さん、そしておじいちゃんとおばあちゃんの5人暮らし。
ご主人は仕事の関係で、海外に単身赴任中。
真名さんは、まだ小さい息子さんのことを考え、自主避難したいと義父母に話をしたところ、義父に逆上され「福島は問題ない。ここを出ることは許さん。出るなら離縁してから行け!」と言われ、
うしたらよいかわからずに、海外にいるご主人と連絡を取ったのですが、
ご主人は「親父がダメだって言うなら無理だろう。逆らうなよ。」とひと言。
震災後に一度家に戻ってきたものの、それ以降は赴任先から帰ってくることもなく、真名さんは一人で悩み続けました。
ご実家は関西にあり、一緒に暮らすのはムリだけど、(お姉ちゃん夫婦と孫が2人いるからとのこと)いつでもこちらに来ていいよ。応援するからと...言っているんです。それを義父母に伝えたら、「そんな恥ずかしいことができるか!」と、さらに怒りが激しくなってしまったとのことでした。

誰にも相談できず、どうしたらよいのかわからず苦しみ続けたいた時に、偶然、私のツイッターを見て、連絡をしてきてくださいました。

泣きながら話をする彼女と、何度電話で話をしたことでしょう。
夜中にメールが入ることもたびたびでした。
子供が白血病になってしまう夢を見たと恐怖と不安におののいて、眠ることすらできなくなってしまい、夜中に先生助けて。。。とメールが入るのです。

彼女の心を軽くすることは、その場を離れることしかありません。
当然、線量の数値の高い場所にある家から、子供を避難させるべきだと私も思います。

何度か、お義父さまと直接話ができないかと聞いてみたものの、無理と言うので、お義父さま宛に手紙を書きました。
その手紙を読んで、ほんの少し心を開いてくださったのか、電話がかかってきました。

第一声は「お前がうちの嫁に入れ智恵なんかするから悪いんだ!」
こんなこと言われるのは、想定内だもんね~。電話ででも直接話ができればよかったのですから。

「一番大事にしたいものは、本当は何だったのか」を思い出していただくために、丁寧に話を進めていき、
最後には穏やかな声で考えみるとのお言葉を聞くことができました。

その電話から9日後の11月22日に、真名さんから電話をいただきました。
初めて聞く明るい声でした。

「お義父さんが、みんなであんたの実家のあるところに行って、みんなで安心しながら笑って暮らそうと言ってくれたんです。その上、同じように福島に残っている親戚と仲の良い友人を説得し、3世帯の知人達が自主避難することが決まったんです。」と。

『自分を信じて、未来を信じて、諦めなければ絶対に道は拓くよ。自分はどうありたいのか、それをちゃんと見つめていこうね。そして、どうすればそこに辿りつくのか一緒に考えて、答えを見つけていこう。
絶対に大丈夫。越えることができる問題しか訪れてはこないよ。』
先生は私にそう言い続けてくれたでしょう。その言葉だけを信じて、ここまで耐えることができました。
もう手遅れとは思いたくなし、思わない。
これからでもまだ手の打ちようがあると思えるようになりました。
そう伝えてくれた彼女の声は、とても澄んでいて、前を向いた美しい女性の凛とした声に変わっていました。

人の心が変わること。わたしはそれがこの世の中に起きる一番の奇跡だと思っています。

お義父さんの決意は並大抵のものではなかったでしょう。先祖代々から引き継がれてきた家があり、
そこに生まれ育ち受け継がれてきた長男の思いは、私には計り知れないものがあります。

けれども、未来に思いを馳せた時、一番大事にしたいものは何なのか、失って苦しむ痛みは何なのかを、
自分自身で引き寄せ考えることができたのでしょう。

『私が変われば、周りが変わる』

一人の意識が変わったことで、ここに救われた命が生まれたのです

本気の関わりは、そこに新たな流れを生み出すことができると、改めて教えてくださった出来事でした。

このご家族のこれからの人生が、笑顔と笑いに満ちた日々を積み重ねていけますように・・・。

(この記事は真名さんの了承を得て、記載しています)